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リンパ脈管筋腫症(LAM)について

1. リンパ脈管筋腫症(LAM)とは

リンパ脈管筋腫症(LAM)は、異常な平滑筋様細胞(LAM細胞)が、肺、リンパ節、腎臓などで、ゆっくりと増えてくる全身性の病気です。ほとんどは妊娠可能な女性に発症すると言われています。肺ではLAM細胞が増加し、さらにのう胞と呼ばれる小さな穴が生じ、その結果、呼吸が苦しくなります。進行すると呼吸不全と言う状態になり酸素が必要になります。1937年に最初に報告され、1977年にカリントンらにより命名されました。日本では1970年に山中と斎木により「び慢性過誤腫性肺脈管筋腫症」と言う病名で報告されました。LAMには、結節性硬化症(プリングル病とも呼ばれます)という病気に伴って発生する場合(結節性硬化症に合併したLAM)と、伴わないで単独で発生する場合(孤発性LAM)の2種類があります。

厚生労働省難治性疾患克服研究事業では「肺リンパ脈管筋腫症(肺LAM)」と記載されてきましたが、平成21年10月より「リンパ脈管筋腫症」に疾患名が変更されました。

2. この病気の原因はわかっているのですか

結節性硬化症では、TSC1あるいはTSC2という遺伝子に異常が認められます。この遺伝子は、細胞の増殖を調節するタンパク質分子をつくり出します。この遺伝子の異常が原因となって、過剰な増殖能力をもつLAM細胞が出現すると考えられています。孤発性LAMでも、LAM細胞にTSC2遺伝子の異常が検出されると報告され、原因のひとつと考えられています。LAM細胞は、コラーゲンなどを分解する酵素を出して肺に穴をあけるのではないかと考えられています。

3. この病気ではどのような症状がおきますか

主な症状は肺病変によるもので、労作性呼吸困難、咳嗽、血痰、喘息様の喘鳴、などを認めます。また、肺が破れて空気が漏れる‘気胸’、胸やお腹に水が貯まる‘乳糜(にゅうび)胸水、腹水’を合併することもあり、それに伴う胸痛、呼吸困難、腹満を認めることがあります。腎臓の血管筋脂肪腫から出血を認めることもあります。結節性硬化症では、LAMによる症状の他に、てんかん、皮膚病変など結節性硬化症による症状も認められます。

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