特発性血小板減少性紫斑病について
1. 「特発性血小板減少性紫斑病」とは
特発性血小板減少性紫斑病(Idiopathic thrombocytopenic purpura、以下ITPと略します。)とは、血小板減少を来たす他の明らかな病気や薬剤の服薬がなく血小板数が減少し、出血しやすくなる病気です。病気が起こってから6ヶ月以内に血小板数が正常に回復する「急性型」は小児に多く、6ヶ月以上血小板減少が持続する「慢性型」は成人に多い傾向にあります。また、血小板数が10万/μL未満に減少した場合、この病気が疑われます。
2. この病気の原因はわかっているのですか
血小板に対する「自己抗体」ができ、この自己抗体により脾臓で血小板が破壊されるために、血小板の数が減ってしまうと推定されています。しかしながら、なぜ「自己抗体」ができるのかについては、未だはっきりとしたことはわかっていないのが現状です。
3. この病気ではどのような症状がおきますか
血小板は、出血をとめるために非常に大切な細胞です。ですから、この数が減ると出血し易くなり、また出血が止まりにくくなり、次のような種々の程度の出血症状がみられます。
- ・点状や斑状の皮膚にみられる出血
- ・歯ぐきからの出血、口腔粘膜出血
- ・鼻血
- ・便に血が混じったり、黒い便が出る
- ・尿に血が混じって、紅茶のような色になる
- ・月経過多、生理が止まりにくい
- ・重症な場合は、脳出血
ただし、いずれの症状もこの疾患に特異的なものではありません。
4. この病気はどういう経過をたどるのですか
小児ITPでは、大部分が急性型で6ヶ月以内に自然に血小板数が正常に戻ることが多く、慢性型に移行するものは10%程度です。成人慢性型ITPでは、約20%は副腎皮質ステロイドで治癒のみであり、副腎皮質ステロイドを減量すると血小板数が減少してしまうため長期のステロイド治療が必要となります。脾摘により、ITPの約60%の方が薬を止めても血小板数が10万/μL以上を維持できるようになります。ただし、それでも残りの約5~20%は治療に抵抗性(あるいは難治性)で、出血に対する厳重な注意が必要とされます。血小板数が3万/μL以上を維持できれば、致命的な出血を来して死亡する例はまれなようです。
- ビュルガー病(バージャー病)について
- リンパ脈管筋腫症(LAM)について
- モヤモヤ病(ウィリス動脈輪閉塞症)について
- 亜急性硬化性全脳炎について
- 副腎白質ジストロフィーについて
- 悪性関節リウマチについて
- 表皮水疱症(接合部型及び栄養障害型)について
- 黄色靭帯骨化症について
- 下垂体機能低下症について
- 大型心筋症について
- 下垂体性TSH分泌異常症について
- 肺動脈性肺高血圧症について
- 家族性高コレステロール血症(ホモ接合体)について
- 球脊髄性筋萎縮症について
- 疱性乾癬について
- 筋萎縮性側索硬化症
- 難治性肝炎のうち劇症肝炎について
- 悪性関節リウマチとして
- 特発性大腿骨頭壊死症について
- 特発性血小板減少性紫斑病について
- 特発性間質性肺炎について
- 特発性拡張型(うっ血型)心筋症について
- 結節性動脈周囲炎・結節性多発動脈炎について
- 潰瘍性大腸炎について
- 致死性家族性不眠症について
- 原発性胆汁性肝硬変について
- 大脳皮質基底核変性症について
- 原発性免疫不全症候群について
- 大動脈炎症候群について
- 後縦靱帯骨化症について
- 広範脊柱管狭窄症について
- ADH分泌異常症について
- 多発性硬化症について
- 拘束型心筋症について
- 混合性結合組織病について
- 多系統萎縮症 オリーブ橋小脳萎縮症について
- 再生不良性貧血について
- 重症急性膵炎について
- 重症筋無力症(公費対象)について
- 全身性エリテマトーデスについて
- 重症多形滲出性紅斑(急性期)について
- 神経線維腫症Ⅰ型(レックリングハウゼン病)について
- PRL分泌異常症について
- 進行性核上性麻痺について
- 脊髄小脳変性症について
- アミロイドーシスについて
- 脊髄性筋萎縮症について
- ウェゲナー肉芽腫症について
- オリーブ橋小脳萎縮症について
- 先端巨大症について
- クッシング病について
- クロイツフェルト・ヤコブ病について
- クローン病について
- ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病について
- ゴナドトロピン分泌異常症について
- サルコイドーシスについて
- 多系統萎縮症 シャイ・ドレーガー症候群について
- スモンについて
- パーキンソン病として
- パーキンソン病関連疾患として
- バット・キアリ(Budd-Chiari)症候群について
- ハンチントン病について
- ビュルガー病(バージャー病)について
- ファブリー病について
- ベーチェット病について
- モヤモヤ病(ウィリス動脈輪閉塞症)について
- 強皮症/皮膚筋炎及び多発性筋炎について
- ミトコンドリア病について
- 網膜色素変性症について
- 慢性血栓塞栓性肺高血圧症について
- 性炎症性脱髄性多発神経炎について