うつ病の初診日が思い出せない|内科受診や転院歴の調べ方【社労士が解説】
「精神科に初めて行った日は覚えているけれど、その前に内科で不眠を相談した気がする」。うつ病の障害年金では、診断名が決まる前の受診経過も確認することがあります。思い出せない日付を無理に決めず、残っている記録から調べていきましょう。
この記事の結論
初診日は、障害の原因となった病気について初めて医師等の診療を受けた日です。うつ病と診断された日や、現在の精神科へ転院した日と同じとは限りません。内科受診と今回の傷病との関連も含め、受診経過と資料を確認します。
この記事で分かること
- 診断日・転院日と初診日の違い
- 手元の資料から調べる順番
- 内科を含めた受診年表の作り方
- 病院に記録がない場合の確認事項
症状が出た日と、医療機関を受診した日を分けます
仕事のストレスを感じ始めた日、眠れなくなった日、休職した日、うつ病と診断された日は、それぞれ異なることがあります。症状の始まりは経過の手がかりになりますが、それだけで初診日を決めるものではありません。
初診日は加入年金や保険料納付要件、障害認定日の確認にも関わります。現在の加入制度や休職時の制度だけを見て判断せず、最初の受診の時期を確認します。受給要件の基本は日本年金機構「障害基礎年金の受給要件」をご覧ください。
内科への受診があった場合は、症状と診療内容を確認します
精神科の前に、不眠、食欲低下、疲労などで内科を受診していたことがあります。ただし、過去の内科受診がすべてうつ病の初診日になるわけではありません。今回の傷病と関係する受診なのか、当時の症状や治療、その後の経過を確認する必要があります。
「内科なら関係ない」「いちばん古い受診なら初診日」と決めつけず、精神科を紹介された経緯、処方、紹介状に記載された情報などを調べます。関係が分からない受診も年表に残し、判断を相談しましょう。
まずは手元の資料を探して、候補を絞ります
診察券、お薬手帳、領収書、医療費通知、紹介状の控えなどを確認します。日付が書かれていても初回受診日とは限らないため、その資料が何を示すのかを分けて記録してください。
| 手がかり | 確認できる可能性があること | 注意したいこと |
|---|---|---|
| 診察券・領収書 | 病院名、受診した時期 | 発行日や支払日が初診日と同じとは限らない |
| お薬手帳 | 処方元、薬局、処方の時期 | 処方日だけで傷病との関係は確定しない |
| 紹介状・診療情報 | 以前の病院、症状、紹介の経過 | 本人の申告か、当時の記録かも確認する |
| 医療費通知等 | 受診先や受診した月 | 記録の保存・取得できる範囲に限りがある |
| 家族の予定表や連絡記録 | 通院に付き添った時期 | 手がかりと正式な証明資料を区別する |
受診年表には、確定した日と曖昧な時期を分けて書きます
年月日が分からない場合は「2018年春頃・本人の記憶」などと書き、何を根拠にしたかを残します。後で病院の記録が見つかったら、確認済みの日付に更新できます。仮の日付を確定した初診日として申告しないことが大切です。
| 時期 | 医療機関・診療科 | 受診した理由・転院の経緯 | 根拠・確認状況 |
|---|---|---|---|
| 最初の候補の時期 | 内科等の名称 | 不眠の相談など、覚えている内容 | 記憶/お薬手帳/病院へ照会中 |
| 次に受診した時期 | 精神科等の名称 | 紹介の有無、治療の開始 | 紹介状や受診記録の有無 |
| 転院した時期 | 転院先の名称 | 転居、紹介、治療の継続等 | 医療機関に確認した日 |
病院には、記録と証明書の作成可否を確認します
候補の医療機関には、当時の氏名、生年月日、おおよその受診時期、診療科を伝えて記録の有無を確認します。必要な本人確認や依頼方法は医療機関によって異なります。
初診の医療機関と診断書を作成する医療機関が異なる場合等には、受診状況等証明書が必要になることがあります。日本年金機構の受診状況等証明書の様式を確認し、作成を依頼する前にどの医療機関の証明が必要か相談しましょう。
記録がないと言われたら、問い合わせた日、担当窓口、確認できなかった理由を残します。閉院の場合も、記録の管理先が分かるかを調べます。記録が見つからないことと、受診そのものがなかったことは同じではありません。
証明書が取れない場合は、代替資料を含めて相談します
初診の記録がない場合は、受診状況等証明書が添付できない申立書や参考資料などを使う方法を検討します。ただし、一枚の診察券や家族の記憶だけで必ず初診日が認められるわけではありません。年齢や加入制度等によって確認方法も異なります。
具体的な方法は日本年金機構「障害年金の初診日証明書類のご案内」に掲載されています。一般的な証明方法は初診日が分からない方への解説も参考にし、うつ病では内科から精神科への経過を含めて準備しましょう。
よくある質問
Q1.うつ病と診断された日が初診日ですか?
同じとは限りません。診断が確定する前に今回の傷病に関わる診療を受けていたか確認します。
Q2.内科で睡眠薬をもらった日を使えますか?
その事実だけで確定はできません。当時の症状、診療内容、今回の傷病との関連を確認します。
Q3.通院をやめた期間があれば初診日は変わりますか?
通院していなかった期間だけで自動的に変わるものではありません。治療や生活・就労の経過を整理して個別に確認します。
Q4.カルテがないと言われたら申請できませんか?
他の資料による証明方法を検討できる場合があります。認められるかは資料と条件によって判断されます。
Q5.年月までしか分からなくても相談できますか?
はい。候補の医療機関、時期、手がかりを整理し、記録の調査から相談できます。
まとめ
初診日は、障害の原因となった病気について初めて医師等の診療を受けた日です。うつ病と診断された日や、現在の精神科へ転院した日と同じとは限りません。内科受診と今回の傷病との関連も含め、受診経過と資料を確認します。
和歌山でうつ病の障害年金を検討されている方は、当事務所へご相談ください。手元の資料と分かる範囲の経過から、必要な確認事項を整理しましょう。

- 社会保険労務士
- 社会保険労務士法人TSR 代表社員・社労士の田中正利です。和歌山県を中心に、障害年金の申請・相談サポートに力を入れています。「親切・丁寧・親身」を大切に、お一人おひとりの状況に寄り添い、適正な障害年金の受給につながるよう全力でサポートいたします。もし障害年金のことでお悩みでしたら、まずはお気軽にご相談ください。
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