統合失調症で過去の障害年金を請求したい|当時の生活を確認する資料【社労士が解説】
統合失調症の治療が長く続いてから障害年金を知り、「数年前のつらかった時期も請求できるのか」と考える方がいます。過去分を検討する場合は、今の状態だけでなく、障害認定日当時の病状と暮らしを確認する準備が必要です。
この記事の結論
過去分の請求では、障害認定日に対象となる状態だったか、当時の診断書を作成できるかを確認します。入退院記録や家族の生活メモは整理の材料ですが、必要な診断書の代わりになるとは限りません。初診日証明とは役割を分けて準備します。
この記事で分かること
- 障害認定日と過去分の確認
- 当時の診断書と生活資料の役割
- 入退院・仕事・援助の年表
- 記録がない場合の病院への確認
過去のつらかった時期と、障害認定日を区別します
一般に障害認定日は初診日から1年6か月を経過した日です。障害認定日による請求では、その時点で対象となる障害状態にあったかを確認します。最も症状が重かった時期を自由に選んで、その月から受給できるという仕組みではありません。
認められた場合の支給開始は原則として障害認定日の翌月分ですが、さかのぼって受けられる年金は時効により5年分が限度です。5年分が必ず支給される意味ではありません。年齢等の条件も含め、日本年金機構の請求時期の案内で確認しましょう。
最初に、当時の医療機関と記録の有無を確認します
障害認定日頃に通院・入院していた医療機関を調べ、当時の状態を記載した診断書を作成できるか相談します。転院している場合は、現在の主治医だけでなく、当時の受診先を確認することが必要です。
病院には、おおよその時期、当時の氏名、入院期間、転院先などを伝えます。記録がないと回答された場合は、何の記録が残っていないのか、他の資料が保管されていないかも確認します。現在の状態を示す診断書だけで、過去の状態を証明できるとは考えないでください。
医療資料と、暮らしを振り返る資料を分けます
初診日の証明は最初の受診を確認するため、認定日診断書は当時の障害状態を確認するための資料です。家族のメモや勤務記録は、その頃の生活・仕事を整理する材料として区別します。
| 資料 | 確認すること | 役割の注意 |
|---|---|---|
| 認定日時点の診断書 | 当時の病状と生活能力等 | 必要な対象時点・様式を確認する |
| 入退院・通院の記録 | 治療先、時期、療養の経過 | 入院した事実だけで等級は決まらない |
| 勤務・休職の記録 | 当時の仕事、欠勤、配慮 | 予定と実際の勤務を区別する |
| 家族の記録・支援記録 | 食事、服薬、外出等の援助 | 診断書の代わりになるとは限らない |
当時の居住形態と援助を、同じ時期について整理します
認定日頃に一人暮らしだったか、家族と同居していたか、入院中だったかを年表に書きます。家族の訪問、通院の付き添い、支払いの代行なども、現在の援助と混ぜずに確認しましょう。
例えば、今は一人で通院できても、当時は家族が毎回同行していたことがあります。反対に、当時は家事ができていたが後に難しくなった場合、その変化も残します。現在の生活をそのまま過去に当てはめないことが大切です。
家族の記憶は、根拠と確かさを添えて年表にします
「2019年秋頃・家族の記憶」「入院日・退院時の書類で確認」など、時期と根拠を併記します。記憶しかない部分を確定した日付へ置き換えず、資料と一致しないところは相談時の確認事項にします。
年表は、受診・入退院、仕事、住まい、援助の四つに分けると整理しやすくなります。家族が当時一緒に暮らしていなければ、直接見た出来事と、後から本人に聞いたことも区別しましょう。
当時の資料がない場合も、請求区分から相談します
記録がない場合にどの請求を検討できるかは、医療資料、初診日、現在の状態等によって異なります。初診日の代替証明が可能であっても、それだけで認定日診断書の不足が解消されるわけではありません。
障害認定日に該当しなくても、その後に状態が重くなった場合は事後重症による請求を検討することがあります。認められた場合は原則として請求日の翌月分からで、過去の入院時まで自動的にさかのぼるものではありません。資料がそろうまで相談を先延ばしにせず、分かる範囲から確認しましょう。
よくある質問
Q1.長く治療していれば5年分受け取れますか?
治療期間だけでは決まりません。障害認定日の状態、資料、受給要件、時効等を確認します。
Q2.家族のメモだけで過去分を請求できますか?
生活を整理する材料になりますが、必要な診断書等の代わりになるとは限りません。
Q3.現在の診断書を使えばよいですか?
現在の状態だけを記載した診断書で過去の状態が確認できるわけではありません。対象時点を相談します。
Q4.入院していたら2級になりますか?
入院の事実だけでは等級は決まりません。当時の病状と生活への制限等を確認します。
Q5.初診日も曖昧ですが相談できますか?
相談できます。初診日の確認と認定日当時の資料を分け、調べる順番を整理しましょう。
まとめ
過去分の検討では、対象となる時点を定めて医療記録と生活の資料を整理します。初診日の証明、認定日診断書、家族のメモを混同せず、資料の有無と請求区分を確認しましょう。
和歌山で統合失調症の障害年金をお考えの方は、当事務所へご相談ください。手元の資料と分かる範囲の経過から確認を始められます。
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- 社会保険労務士
- 社会保険労務士法人TSR 代表社員・社労士の田中正利です。和歌山県を中心に、障害年金の申請・相談サポートに力を入れています。「親切・丁寧・親身」を大切に、お一人おひとりの状況に寄り添い、適正な障害年金の受給につながるよう全力でサポートいたします。もし障害年金のことでお悩みでしたら、まずはお気軽にご相談ください。
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